SDGs|目標4|質の高い教育をみんなに|実現に向け取り組むフィジーの課題

 持続可能な社会に向け、将来を担う子どもたちの平等で質の高い教育機会は欠かすことができません。

教育の分野はSDGsの中でも各国の色が出る項目なので、世界の国がどのような取り組みをしているかを知ると非常に面白いです。

今回ご紹介するフィジーでは他国でも見られる課題に加え、南国の小さな島国という特性上、気候変動や地理的な部分も教育と密接に関わっているようです。

目次

SDGs4: 質の高い教育実現目標の位置付け

 フィジーは人々の生活、健康、生産的かつ持続的な社会の発展において、教育の質の向上が最も重要としています。

例えば小中学校の無償教育・無償教材の提供、通学におけるインフラ、奨学金の制度面など、フィジーの教育分野の革新はまだ始まったばかりです。

特に今後は女性の教育機会をあらゆる年代で浸透させていくことが重要となってきます。

初等教育における支援-Voluntary National Review(VNR)
VOLUNTARY NATIONAL REVIEW

数字で見る初等教育の充実

 全ての子供が初等教育にアクセスできるようにと、初等保護教育機関-Early Childhood Care and Education(ECCE)が2007年に設立しました。

ECCEの設立は教育の質を大きく改善させ、5歳児の就学率は2000年の11.8%から2015年には80%にまでなりました。

フィジーは現在、教員一人当たり児童数を1:24で維持することを目指しており、この数字は近年上昇傾向にあります。

Voluntary National Review(VNR)
VOLUNTARY NATIONAL REVIEW

全ての年齢の子どもたちの教育の質を高めるSDGs4の実現

初等教育と中等教育

 フィジーの教育分野での取り組みにより、初等、中等教育は国の隅々まで行き渡るようになりました。

初等教育を受けることができる児童は99%、中等教育は90%に達しています。

また気候変動の影響を大きく受けるフィジーにとって、自然災害への対策も欠かせません。

政府は傷んだ設備の復旧、災害に強い設計を施すことにも力を入れています。

文学と数学の評価機関(LANA)では国語や算数の学習の進捗をはかっており、時には生徒や親、先生にもそれをフィードバックしています。

このような取り組みにより、フィジーの5歳児から7歳児の学習レベルはしっかりと保たれています。

性別による初等教育人数-Voluntary National Review(VNR)
VOLUNTARY NATIONAL REVIEW

性別による中等教育人数-Voluntary National Review(VNR)
VOLUNTARY NATIONAL REVIEW

第三期教育と技術教育

 第三期教育については2003年-2005年時点では16%の学生のみが受けていましたが、学生ローンや奨学金の制度を導入することにより、今では30%にまでひろがりました。

その中の一つであるTechnical College of Fiji(TCF)では1:10の割合で教師が割り当てられています。

これらの技術教育を経て、子供たちはフィジーの今後の経済を支える仕事に就いたり、大学に進んでさらに専門性を高めたりすることができるようになりました。

誰も取り残さない教育環境づくり

 中等教育機関のうち17の専門学校、67の学校で障害を持つ子供たちが教育を平等に受けることができます。

これらの活動は大学やNGOによっても後押しされており、インクルーシブな学習環境づくりを様々な面からサポートしています。

またフィジーではこれまで教育機会へのアクセスや教育環境の整備が遅れており、それが性差別を引き起こしてしまいました。

継続的な活動・資金の投入により徐々に女性も教育を受けることが可能になっており、中等教育では女子学生が男子学生を上回るところまできました。

教育機会創出に向けたパートナーシップ

 このように様々な取り組みにより教育環境は徐々に改善がみられますが、それでもまだ20%ものpre-schoolの子供たちが教育機会に恵まれずにいます。

ECCEは親たちに対しいかにpre-schoolや初期段階の教育がいかに重要かを伝えたり、民間の教育期間とECCEの資格教員の繋がりを持たせることで改善に取り組んでいます。

一方で中等教育においては職業教育や技術教育を知る機会を与えたり、このような技術教育を地域経済と協業することでひろめられないか取り組んでいます。

小さな島々で構成されるフィジーにとって、中心部と郊外でのアクセスの違いも大きな課題です。

テレコミュニケーションの活用などの取り組みはありますが、平等というレベルに到達するためには今後も継続的な取り組みが必要な分野です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

フィジーでは教育を、将来の性差別や雇用にも関係する非常に影響力の大きな項目の一つとして扱っており非常に力を入れていることが数字の面からも読み取れました。

一方で、学生たちはCovid-19に世界中で大きな影響をうけた層の一つです。

島々で構成されるフィジーにおいて、今後の教育にどのように影響し、考えられていくのでしょうか。

フィジーの考えるこれからの教育についても、SIFとしていかに考え取り組んでいくのか考えて皆さんと考えていきたいと思います!

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