今日は世界にはどんなエシカル消費があるのか、具体的な取り組み例をご紹介します。
エシカル消費と聞いても、考え方が広すぎて何をして良いのか分からない、という方もいるかも知れません。
以前にエシカル消費が日本に広まらない7つの問題点という記事で、日本が世界に比べてエシカル消費がなかなか進まないというお話をさせていただきました。
エシカル消費の取り組みを始めるには、具体的な取り組み例を知っていくことも大切です。
皆さんはもっと色々な世界のエシカル消費の取り組みを知りたいですか?
この記事を読んでいただければ、モノだけではなくサービスにおけるエシカル消費を知っていただくことが出来ます。
今日ご紹介するのは、ホテルやリゾートを選ぶ際にもエシカルを意識しよう、という取り組みを始めたETICホテルズの例です。
ETICホテルズの取り組みは、ETICエシカル・ホテルズ・スタンダードという基準を作ったところから革新的といえます。
ETICエシカル・ホテルズ・スタンダードとは?
ETICエシカル・ホテルズ・スタンダードとは、ETIC HOTELS LTDが独自に作成したホテルやリゾートを運営するための、持続可能性を評価する基準のことです。
ちなみにETICはEnterprise Turnaround Initiative Corporationの略です。
ETICホテルズのビジョン
ETIC Hotelのホームページにはビジョンを以下のように定義しています。
Our Vision is to create an unrivaled global community for environment conscious people willing to travel to ethical and sustainable hotels and resorts.-私たちのビジョンは、エシカルでサステイナブルなホテルやリゾートへの旅行を望む、環境意識の高い人々のための比類のないグローバルコミュニティを作ることです-
ETIC Hotel ホームページ
『ホテル』という分野にエシカル消費を取り入れたきっかけ
創設者のOlivier KhatibとMina Habchiは、何年も旅をするうちにあることに気づいたそうです。
それは、世界中のほとんどのホテルやリゾートには、持続可能で環境にやさしいとはどういうことか、という標準化された基準がないことです。
そこで、MinaはまずETICとそのETIC エシカル・ファッション・スタンダード(NEFS)を立ち上げた後、このプロジェクトを世界のホテルやリゾートに展開することにしました。
そこで生まれたのがこの、「ETIC エシカル・ホテルズ・スタンダード(NEHS)」です。
今後、ホテルやリゾートは、NEHSに基づいて、環境、社会、文化、土地の保護、そして持続可能な経営活動について評価されることになります。
エシカル消費を取り入れた目的とは?
ETICホテルズの目的は、ホテルやリゾートの環境面、社会面・ガバナンス面の行動や方針を評価し、見守ることです。
ETICホテルズは、ホテルやリゾートにおけるこれらの評価対象を定め、500以上の指標を持っています。
評価基準は、ホテルの内部方針や行動に加え、ニュースや政府・NGOの報告書なども参考にされています。
最終的には、各ホテルやリゾートに100点満点のスコアが割り当てられ、それが消費者の選択に反映されていく仕組みです。
ETICが取り組むエシカル消費とは
エシカルでサステナブルなホテルとは?
ETICはサステイナブルは間違いなくラグジュアリーでもあるということを伝えています。
リーズナブルなホテルからラグジュアリーなホテルまで、多くのホテルがサステイナブルなホテル運営を目指しています。
ホームページで紹介されているエシカル対象の例は以下の通りです。
- エネルギーの節約
- 水資源の節約
- リサイクルと廃棄物削減
- クリーニング製品
- 食べ物の準備
- ペットボトル水の代替品
- メニューの選択
- スパ
- バスアメニティ
- ルームキー
しかし、エシカルをより追及していくとこれだけでは足りません。
サステナブルなホテルとは、その土地のライフスタイルや個性を大切にし、地域社会を尊重し、環境への影響を最小限に抑えることが求められます。
エシカル消費の評価基準を導入した結果
ETICホテルズの取り組みの結果、旅行者が旅の計画を立てるプロセスで、環境、社会、ガバナンスの行動や方針が反映させることが実現されました。
でもそれだけではありません。
評価対象となったホテルやリゾートは内部プロセスを常に強化し、ホテルの従業員、地域社会、そしてホテルが営業している環境にもグリーンな影響を与えているのです。
エシカル消費の考え方は、消費から社会を変えることです。
ETICホテルズの例はまさに、旅行を計画する消費者行動からサービス提供者の行動を変えています。
フィジーのエシカルなホテルとは?
今ご覧になっているSIFジャーナルというメディアは、南国フィジーの社会問題の解決に取り組みたいと思っているSIFという団体が情報発信のために運営しています。
フィジーのホテルはETIC評価基準ではどのような評価を受けているのでしょうか。
実際に検索してみた結果がこちらです!
一位は10段階中、8.2を獲得したWestin Denarau Island Resort & Spa でした!
ちなみに、環境、社会、文化と地域保護、持続的な取り組み管理の4つの軸でスコアの内訳を知ることが出来ます。
皆さんもフィジーを訪れる時にはぜひ参考にしてみてください。
日本のホテルがどのようにランクインしているか見てみるのも面白いです。
なぜエシカルでサステナブルなホテルを利用するのか?
ETICはなぜここまでエシカルにこだわるのでしょうか。
それは休暇中であっても、常に僕たち人類の習慣ややり方を変える継続的な努力が必要だからです。
例えば、SDGsにも2030年という目標の期日があります。
この期限に対して、皆さんはどれだけ危機感を持っているでしょうか。
働いている間、勉強している間、寝ている間、そして休暇の間にも刻々と期限は近づいています。
だからこそ、あらゆる生活の場面でサステイナブルな行動を習慣化する必要があるのです。
今2021年6月現在は自由に旅をすることも制限があります。
制限が明け海外旅行も自由に楽しめるようになった時には、皆さんにもエシカルな旅を送っていただければと思います。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
モノだけでなくサービスにおいても、そして生活の全ての場面でエシカルを意識する時代になっています。
そして今回ご紹介したフィジーに関するエシカル消費の具体例はまだまだあります。
例えば、皆さんが普段目にするフィジーウオーターもその一つです。
【エシカル消費の具体例】美容効果・美味しさ以外のフィジーウオーターの魅力を知っていますか?
フィジー政府発行のSDGs報告書からも、フィジーの環境配慮と取り組み意識は徐々に高っまっていることが分かります。
その一方で、フィジーにはまだ大きな課題があります。
それは急激な経済成長に伴って発生する廃棄物の処理です。
フィジーには美しい海があり、緑溢れる自然と人が共存する景色を想像しますが、現実的には人間による廃棄物で汚されてしまっている場所も多く存在します。
SDGs|目標12|つくる責任 つかう責任|深刻化するフィジーの廃棄物問題
日本ではすでに解決策がある社会問題も、新興国であり、小さな島国ゆえにフィジーではまだまだ取り組みに時間がかかる事例も多いのです。
そんな社会問題に対して、我々SIFは小さな組織だからこそ出来る取り組みを行なっていきたいと思います。
その想いについて、詳しくはこちらにまとめてあります。
幸福度No1の国、フィジーに、SDGsにつながるメディア。”Social Innovation Fiji Journal”とは
もし我々SIFの活動にも興味を持って、一緒に何かしたい方、話を聞いてみたい方はぜひご連絡ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考: