今日は皆さんがふだん飲んでいるかも知れないフィジーウオーターについてです。
そのままずばりフィジー生まれの飲料水なわけですが、オシャレで健康に良さそうな「少し良いお水」という感じです。
ちなみに僕は海外のレストランで食事をした際にお会計が高すぎると思ったら、お冷が勝手にフィジーウオーターだったことがあります。
そんなちょっと特別価格なフィジーウオーターですが、今回はエシカル消費にどのように繋がっているかご紹介します!
僕もこの記事を先に読んでいれば、気持ちよくお会計できたかも知れません。
この記事を読んでいただければ、ただ健康的なだけではなく、フィジーウオーターを買うことにどのような”意味”があるのか知っていただけます。
フィジーウオーターがエシカル消費の具体例になる理由
エシカル消費とは、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことを指します。
フィジーウオーターも何となくフィジーの自然で育っていて環境にも優しそう、というイメージですが、しっかり環境性能も持ち合わせています。
また、飲みやすい上に美容効果も期待できるフィジーウオーターですが、この価格でも消費者に手に取ってもらうための工夫が非常に優れているといえます。
今回は、①環境性能、②マーケティングの二つの側面からフィジーウオーターがエシカル消費の事例になる理由を解説していきます。
優れた環境性能と環境理念が作るエシカル消費の具体例
プラスチックの使用を変革するサーキュラー・エコノミーでエシカル消費に貢献
フィジーウオーター社は、2025年までにすべてのペットボトルを100%再生プラスチック(rPET)にする目標を発表しています。
社長であるエリザベス・ステファンソンは以下のように述べています。
“The transition to 100 percent rPET is the cornerstone of our comprehensive approach to sustainability,”-100%rPETへの移行は、持続可能性への包括的なアプローチの基礎となるものです-
再生プラスチックへの移行は、リサイクルと再利用を促進しますが、FIJI Waterの社長はサーキュラー・エコノミーの重要性を強調しています。
サーキュラー・エコノミーとは循環型経済とも呼ばれ、廃棄されていた製品や原材料を新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく製品サイクルを循環させる考え方です。
このサーキュラー・エコノミーこそが、環境の持続可能性と自然の保護であり、地球上で私たちが幸福に暮らすために不可欠であるとしています。
原生熱帯雨林の保護とつながるエシカル消費
広範な慈善活動にも取り組んでいることをご存知でしょうか。
フィジーウォーター社は、コンサベーション・インターナショナルとのパートナーシップにより、フィジーに残された未保護の最大の原生熱帯雨林のひとつであるソビ盆地の161キロ平方メートル以上を保全し、将来の伐採や劣化を防いできました。
また、地域住民と協力して32万5,000本の木を新たに植え、フィジー政府と協力して国全体でのリサイクル活動を展開しています。
このように、フィジーウオーター社はフィジー経済、そして南太平洋地域に大きく貢献し、フィジーの社会と環境の持続可能性に役立っています。
大型容器によるプラスチック削減でエシカル消費に貢献
フィジーウオーター社は、冷蔵庫やカウンター用の2.5ガロン(約9.5リットル)のパッケージと、ディスペンサー用の5ガロン(約19リットル)のパッケージを導入しています。
どちらのオプションも容量を大きくし、必要な容器を減らすことでプラスチックの使用量を最大76%削減することができます。
フィジーウオーター社は今後も、現行のボトルとパッケージを継続的に改良し、全製品のプラスチック使用量をさらに削減することを目指します。
エネルギー使用量削減と100%再生可能エネルギー目標
フィジーウオーター社の親会社であるワンダフル・カンパニー社-The Wonderful Companyは、環境に配慮した作物の栽培方法、繁殖方法、収穫方法で収穫量を増やし、品質を向上させ持続可能性への幅広い取り組みを行っています。
2019年の発表によると、2025年までに米国内で再生可能な電力を100%使用することを目標に研究開発やパートナーシップを進めているそうです。
ここには紹介しきれませんが、生産過程での持続可能性の取り組みについてはホームページに詳しい記載があります。
気候変動対策のために過去最高額の7億5000万ドルの誓約
フィジーウオーター社の親会社のオーナーであるスチュワート&リンダ・レズニック夫妻は、2019年9月、気候変動対策のために前例のない7億5000万ドルの誓約を発表しています。
この誓約は、世界的に有名な科学・工学研究所であるカリフォルニア工科大学に対する拠出です。
環境の持続可能性に関する研究では過去最大、そしてアメリカの学術機関への拠出額としては史上2番目に大きいものです。
研究の一部は、分解可能なプラスチックに焦点を当て、急速な気候変動に直面している世界における水、エネルギー、食料、廃棄物の問題の取り組みに使われていきます。
エシカル消費のマーケティングに成功した具体例
エシカル消費で最も難しい部分は、マーケティングです。
いかに消費者の目にとまるところに届けるか、いかに適正な価格で商品を手に取ってもらえるか。
ここが出来ていないと、いくら素晴らしい商品を作っても社会的インパクトは限定されてしまいます。
その点、フィジーウオーターは学ぶべき点が多くあります。
パッケージのデザイン性
独特な四角い容器、フィジーの海を彷彿させる美しい色使いは他の商品との差別化になっています。
持っているだけでかわいい、持っているだけで美容意識が高いと思われる、など女性に人気な理由もわかります。
中身にいくら価値があっても、ついつい手に取りたくなる商品でなければ多くの消費者には届きません。
フィジーウオーターからは、商品のデザインが消費者の行動に変化を起こすということを学ぶことができます。
パッケージの機能性
もう一つ女性に人気の秘密があります。
それは330mlという、手ごろなサイズ感のボトルです。
女性の小さなバッグにも収まるサイズ感、持ちやすさは実は手に取ってもらうには非常に重要な要素です。
もちろん中身が良いことが前提ですが、これだけでもいかにフィジーウオーターがマーケティングに力を入れているかが分かります。
イメージ戦略とプロモーション
皆さんもSNSなどで海外セレブや日本の芸能人が、フィジーウオーターを手にしている写真を見たことがあるのではないでしょうか。
もちろん自分で購入している方も多いと思いますが、そもそも高級なホテル、VIP用ルームにはフィジーウオーターが無料で置いてあります。
出来るだけ多くのセレブや影響力のある人に手にしてもらい、広告してもらう。
これはエシカル消費の非常に優れたイメージ戦略の例と言えます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
美容に効果がある、飲みやすいといった以外のフィジーウオーターの魅力が伝わったでしょうか。
数年前に水を買う時代が来るとは思わなかった、と言いますがフィジーウオーターは広く受け入れられたペットボトル水では高価格帯に入ります。
それでも消費者に手に取ってもらうには、中身だけではなく、商品が作られる過程、そしてパッケージに至るまで細かい設計があります。
まだまだ日本にはエシカル消費が本当の意味で広まったとは言えません。
でも皆さんが自分が好きな商品の背景を知り、商品を消費する意味を考えるようになればもっと大きな変化が起きるかも知れません。
この話はエシカル消費が日本に広まらない7つの問題点でもお話させていただいています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考:
https://www.mashed.com/33857/real-reason-stop-buying-bottled-water/